アユタヤの次はいよいよインドに突入です。かなり不安だ。インド行きの飛行機のチケットはチェンマイの滞在中にすでに予約してある。ついに陸路移動がここで途切れてしまう。何とかユーラシア大陸だけは陸路で越えようと思っていたのたが、ここまで来るのに思いのほか時間が掛かってしまった。インドビザの期限もあるし、とりあえずインドに入る事にした。
インドへはドンムアン空港からはエアーアジアでコルカタかチェンナイへ飛ぶことが出来る。チェンナイの方が運賃5,000円ほどが安かった。よし、インドの最初の目的地はチェンナイだ! さらに安い日を選んでインドへの出発日は6月24日に決まった。
アユタヤ駅から12:18発の電車でドンムアン空港へ。3等席で11バーツと格安です。3等はエアコンの無い自由席です。これまでは長距離の移動でしたので夜行のエアコン付き寝台ばかりでした。初の3等自由席です。少し不安です。
時間になっても列車がこなかったので、ホワイトボードを探します。ありました。2分遅れです。って事は10分ぐらい遅れます(笑)。
きっちり10分ぐらい遅れて列車が来ました。おばちゃんが寝ている前の席に座る。そこしか空いていない。チェンマイからの列車は外国人ばかりでしたが、さすがは3等席です。客層が違います。エアコンの無い車内は窓全開です。心地よいと言うより、強風が入り、車内は思ったほど暑くはありませんでした。快適でもなかったけど。
13:20 ドンムアン駅に着きました。空港は道路を隔ててすぐ隣です。駅のホームの横から空港へ通路が道路の上を渡しています。空港横の道路にはタクシーが列を成して停まっていました。ドンムアンはLCC専用みたいな空港でアクセスが悪いです。空港へは路線バスも走っているようですが、地下鉄はありません。お金持ちはタクシーかな?
昼食は待望の和食です。空港内の「さぼてん」のトンカツ定食です。インドに入る前に贅沢しようと奮発しました。夕方発の便なのでまだまだ時間があります。一旦、バンコクに戻ろうかと思いましたが、なんせアクセスが悪い空港なので、乗り遅れると大変って事で思いとどまりました。空港内で時間を潰します。
夕方になりました。はい、夕食です。飛行機のチェックインと出国手続きを済ませて免税エリアで頂きました。次はいつ食べられるか分からないので、日本食を食い溜めしておきます。おっと、忘れてた、エアーアジアは食事つきだった。食べ終わった後に気づきました。もう、お腹いっぱいです。
19;45発(タイ時間)チェンナイ行き。いよいよインドに飛び立ちます。不安と期待と、不安と不安と不安だらけです。
飛行機から見るバンコクの夜景はキレイでした。さようなら、バンコク。しばらくして機内食が出てきました。お腹いっぱいだったけど詰め込みます。なかなかの美味でした。
インドのチェンナイ国際空港には夜9時40分(インド時間)頃の到着となりました。インドとタイには1時間の時差があるので3時間あまりのフライトでした。ここの空港、かなり荒い感じで荷物が出て来ます(汗)。インドですね。さて移動です。チェンナイ空港は町の中心から離れた場所にあります。予約したあるチェンナイの宿までは15キロほど離れている。
外に出ると暗闇の中、黒い肌のインド人がズラリとホテルの名前を書いたプラカードを持って出迎えていた。なんだか怖い。
宿へは空港近くの駅、ティルスラム駅からチェンナイの中心、エグモア駅まで行けるようなので、夜だけど頑張って列車で移動するつもりでいた。とりあえずインドルピーを調達しなければならない。
インドにはATMが少ないとネットでの情報だったが、さすがにここは国際空港だ。空港の中には小さな両替所もあった。タイバーツも残っていたが、夜も遅いし早く宿に着きたかったので、何気に空港を出てしまう。外には一台だけATMがあった。少ない、ここ国際空港だぞ。
インドに入る前、タイでクレジットカードの利用状況を確認していた、それによるとATMの利用料がかなり掛かっている事に気づく。利息より高いじゃないか!「現金はなるべく持たない」と決めて小まめに下ろしていたのが裏目に出た。インドにはATMも少ないと事なので、ここは一気に3万ルピー(約6万円)ほど下ろしておく事にした。いざ、インドのATMへ向うのだが・・・
ATMには「VISA」も「Master」のマークも付いていなかった。クレジットカードは使えるのかな? とりあえずカードを入れて、これまでと同じようにキャッシングを試みる。カードは入れてすぐ抜き取るタイプなので安心だ。ちゃんと英語の表示も選べる。何の問題も無いはずだった。金額の入力画面まで進み「30,000」と打ち込むと・・・
ATMの画面に何やら英語のメッセージがチョロと表示され、すぐに最初の画面に戻ってしまった。お金は・・・ 出てこない! え~、ひょっとしてクレジットカードが使えないの? 別のカードでも試すが結果は同じだった。きっと、このATMがクレジットカードのキャッシングに対応していないのだろう。他のATMを探す事にした。しかし、辺りにはこの1台しか見当たらない。
さすがに焦った。移動するにもお金がない事には・・・ 時間は夜の11時になろうとしている。優しそうなインド人を見つけて近くにATMは無いのか尋ねる。国内線のターミナルの方に2台あるとのことだ。行ってみると確かにあった。しかし、同様にクレジットカードのマークは無い。大丈夫か・・・
駄目だった。2台とも金額の入力画面までは行くのだが、金額を入れると最初の画面に戻ってしまう。もしくは、金額の入力画面に戻る。お金を引き出す事が出来ない。インドのATMではクレジットのキャッシングに対応していないのか?
とりあえず、近くのティルスラム駅まで行ってみる事にした。途中にもATMがあるかもしれない。予約してある宿はチェンナイの中心、エグモア駅の近くにあった。列車に乗ってしまえば、何とか自力で辿りつけそうだ。空港の前の道に出ると、タクシーとオートリクシャのおっちゃん達がわんさか寄ってきた。「ホテルは決まっているのか?」「チェンナイの中心まで600ルピー(約1,200円)だ!」
夜も遅いし、暗い中をホテルの場所を探して歩くのも危険なので乗ってもいいかな、と思ったがお金がない。「お金、持ってないんだ」と説明すると「ATMにも寄ってやるから、乗って!」と薦めてくる。でも「600ルピーは高いだろ」と言うと時計を指差し「夜間割り増しだ!」と、一応、高いという認識はあるようだ。
オートリクシャのおっちゃん達を振り切りティルスラム駅へ向った。しかし、駅に着くと、どうも列車は終わってしまっているようだった。駅は真っ暗でひと気がない。再び空港前の道に戻る。
「宿まで400ルピー(約800円)、途中でATMに寄るから心配ない。」もう、にっちもさっちも行かなくなっていた。400ルピーは高いのか、安いのか、相場は分からないが、オートリクシャに乗ることにした。チェンナイの中心へ、オートリクシャで走る。
意外にもATMは途中にいくつもあった。インターネットの情報はすでに古いらしい。確かに日本でも当たり前にコンビニにATMが置かれるようになったのは、ごく最近の事だ。時代は流れているのだ。インドの旅も意外と楽かもしれないと、この時は思った。
途中、2,3台のATMに寄ってもらうが、どのATMでも同じくキャッシングが出来ない。本当にインドの銀行のATMではクレジットカードは使えないのだろうか?
すると、道路の反対側の車線にシティバンクを発見した。インドにもシティバンクがあるんだ!「シティバンク! シティバンク!」と叫んで、運転手に寄るように伝えるが「シティバンクだね~、他にもATMたくさんあるよ!」と寄ってくれなかった。インドの銀行のATMでお金が下ろせないから困っているんだろーがー! 寄れよ、シティバンク!
結局、どのATMでもお金を下ろす事が出来なかった。仕方ないので両替屋に寄ってもらう。タイバーツが446バーツ残っていた。宿代には足りないが、とりあえずはオートリクシャ代は調達できそうだ。連れて行かれた両替屋は、狭い階段を2階に上がった小さな両替屋だった。なんだか闇両替みたいだしレートも悪そうだ。420バーツが706ルピー(約1,400円)に・・・
エグモア駅近くまでやって来た。「宿の場所は知っている」と言っていたオートリクシャのおっちゃんだが、人に道を尋ねてだし、駅の周りをグルグル回る。知らなかったようだ。インド人は平気で嘘をつく。
人に宿の場所を尋ね回り、ようやく場所が分かったようだ。「ここから宿まで4キロはあるよ。ちょっと遠いね。宿まで追加で200バーツだね」と言い出した。しかし、僕は宿の場所を知っている。僕には強い味方グーグル先生が着いているのだ。グーグルマップでは500メートルほどしか離れていなかった。最初っから600ルピー取る気だったらしい。インド人は平気で嘘をつく。
「宿までそんなに遠くないから歩いて行くよ!」と、リクシャを降りる。500ルピー札を渡すと「いいの、遠いよ。4キロあるよ」と、しつこく言ってお釣りを渡そうとしない。もう、夜は12時になろうとしている。早く宿に着きたい。「いいから、お釣りを渡せ!」とせがむと「100ルピーで宿まで行く」と言い出した。どうしてもお釣りを渡したくないらしい。インド人はしつこい。
仕方ないので100ルピーで宿まで行ってもらう事にした。結果的にはそれが正解でした。何とか宿の近くまでは来たものの、辺りは暗く、宿の場所が分からない。オートリクシャのおっちゃんが人に聞いて回り、ようやく宿に辿り着く事ができた。
宿に着くと、入口は鉄格子が閉められ中には入る事ができなかった。宿のチェックインは夜の12時まで、どうも宿の受付は終了してしまったようだ。またまた、おっちゃんが大声で宿の人を呼び出してくれる。正直言って助かりました。
鉄格子が開かれ中に入るとすぐに受付があり、その奥にはベッドが置いてあった。なぜか、管理人は受付前の廊下で寝ていました。「お金が無いけどいいか?」と聞くと「明日でいい」との事。ようやく宿で休める。時間はちょうど12時を回り日にちも変わった。
次の日、とりあえずはインドルピーだ。昨日は夜遅かったので銀行のATMでは預金は下ろせても、クレジットカードでのキャッシングはできなかったのかもしれない。宿の近くのATMでキャッシングを試みる・・・ が、やっぱりお金は出てこなかった。金額を入れると、金額の入力画面に戻ってしまう。そこで銀行の窓口でキャッシングする事にした。
銀行の窓口に行きクレジットカードを見せて「これでお金は下ろせるか? VISAは使えるか?」聞くと「ATMで使えるからATMに行け!」との事。たぶん窓口での手続きが面倒なのだろう。それに英語もろくに喋れない外国人相手だ。普通、そうなるわな。
その銀行のATMへ行ってみる。外国のATMは建物の外に置いてある事が多いが、インドのATMはきちんと建物の中にあった。入口はガラス戸で仕切られていて日本の銀行のATMと何ら変わらない。そこには二人のインド人がいた。一人が中のATMでお金を下ろしていて、一人は外で待っている。しかし、なかなか中の人が出てこない。かなり、手間取っている様子。
ATMが故障しているのだろうか?と思っていたら、中の人がおもむろに外で待っていた人を中に入れた。二人でゴチャゴチャやっている。しばらくすると、今度は僕に手招きしてきた。何なんだ、いったい!
人がお金を下ろしているのを見るのは変な感じだ。遠慮がちに中を覗き込んでみると画面は英語だった。「ここから、どうすればいいのだ?」どうやら字が読めないらしいのだ。でも何で英語なのだ。
何とか金額を入れる画面まで辿り着き、入力した金額は500ルピーだった。日本円で約1,000円です。そうなのか? こんな小額を下ろすのか? 3万ルピーは、ひょっとして下ろせる限度額を超えていたのではなかろうか?
ATMのボックスの外に出ると、体格のいいスーツ姿のインド人が僕の次に並んでいた。これまでのやり取りを見て少しイライラしてる様子。ようやく次の人の番となった、が、またゴチャゴチャと手間取っている。そして・・・ また手招きしてきた。オマエもかい!
やっぱり字が読めないみたいだ。すると後ろにいたスーツ姿のインド人がグッと割り込んできた。「早くしろ!このボタンを押して、金額を入れろ!」と言ったかは分からないが、かなり高圧的な言い方で指示を出していた。金額を入れる指が震えている。ちょっとかわいそうだった。入力した金額は2,500ルピー(約5,000円)だった。そして財布にしまうカードをチラッと見た。そこには「VISA」のマークが確かにあった。よし、下ろせるぞ!
さて、次は僕の番だ。後ろには、かなりイラついた体格のいいインド人が待っている。ここは一発で決めなければ! 多分、一回で下ろせる限度額を超えていたのだろう。しかし、小額を下ろせば、小まめに引き出す事になり手数料がかさむ。さて、インドの限度額はどれくらいだろうか? 前の人は500と2,500ルピーだった。いろいろ考えた末、5,000ルピーが妥当な線だろう。「5,000」で行くぞ!
金額の入力画面に進み「5,000」と入力する。すると、カタカタと頼りない音がして5,000ルピーが出て来た。やった! キャッシング出来たよ! もう泣きそう! 後ろのインド人に怒鳴られなくで済んだよ。
後ろのインド人が済んだら、もう一度お金を引き出す。5,000ルピーでは心もとない。インドのATMでの限度額も確かめておきたかった。まずは「30,000」は駄目だったので「20,000」と入力する。しかし、駄目。次の「15,000」でも駄目。そして「10,000」では・・・ 10,000ルピー、ちゃんと出てきたよ! インドのATMで一回で引き出せる金額は1万ルピーでした。
世界一周 109日目【6/24】(タイ・ドンムアン空港-インド・チェンナイ)
朝食 105バーツ
タイ国鉄(-ドンムアン) 11バーツ
トンカツ定食(さぼてん) 365バーツ
定食(FUJIレストラン) 288バーツ
トゥクトゥク 500ルピー
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合計769バーツ(≒2,800円)+500ルピー(≒1,000円)